桜
- fcsakai2
- Apr 25
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春はどちらかというと苦手。慣れ親しんだものから移り変わってゆくシーズンであり、新たな環境に対しておっくうになる。期待でワクワクより、緊張でドキドキする。そういった不安は一旦横に置き、数年逃していたお花見に遠方に住む同級生と二人で出かけた。その友人は長きにわたる闘病を経て、体中に問題を抱えている。待ち合わせた駅から桜の名所まで徒歩20分かかるので、タクシーを勧めるが歩くという。私が杖代わりで腕を組んでゆっくりと歩く。こんな風に学生の頃くっついて、よくふざけて笑ってたなぁなどと想いながら。屋台でシロップと氷しか入っていない甘すぎるスムージーを買った。甘い甘いと笑い、並んで座ってまさに満開の重なり合う見事な桜を眺めた。
友人は病気を患う前と性格が変わった、と他の友人たちは言う。もともと何事も几帳面できっちりしていたが、深く考えない、やれることを適当にやる、という方へシフトチェンジした。それは大病で変わった体には必要なこと。しかし本来の性格と真逆に転換していく上で、受けるストレスはどんなものだったろうか。一方、変化に対して後ろ向きな自分を思うと、情けない気もする。
帰り道、川沿いに延々と続く可憐な桜も堪能できた。こんなに綺麗で気候の良い春が苦手とはもったいないと思った。また、自分のためにこんなふうに充電したい。そして会いたい人に会おうと思う。 <mii>

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