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  • fcsakai2

障害があり、女性であること

『障害者について論じられるときは、たいてい障害者男性に、

 女性について論じられるときは、たいてい健常者女性にスポットが当てられる。』

この言葉は「障害があり女性であること」という本の中にある一文である。

この本の著者であり、編者である土屋葉は障害者について論じられるときに、障害のある女性の声が取り上げられず、もしくは障害者という面だけを取り上げ、女性と言う面は切りすてられていると指摘している。また、女性のことについて論じられるときには障害のある女性は忘れられていると言っている。

 女性であり、障害者であることによって、ジェンダーに基づく差別と障害に基づく差別が加わった複合差別がある。ジェンダーにより女性に割り当てられるケア役割を障害があることで果たせないことに対する暴言や暴力。さらに、ケアをする存在であるのにもかかわらず障害ゆえにケアされる必要があることになお一層の差別を受けることがある。この本の中では様々な障害をもつ女性の聴き取りを通してその生きづらさを訴えている。その解消には性別役割分業を内包する性差別と障害者差別が切っても切れない関係にあることをふまえて取り組むことが求められている。

 日本が批准した障害者権利条約では、女性への複合差別について直接言及している。障害者権利条約には、障害女性について特記した第6条が設けられ、条約を批准した国の政府は、障害女性が複合的な差別を受けていることを認識し、必要な措置を講じなければならないと書かれている。しかし日本ではいまだに障害女性の状況を調査し法律や制度を整えていくまでに至っていない。

 今回機会があって障害女性についてネットで調べたり、本を読んだが、同じ女性つながりとして彼女たちの生きづらさに胸が苦しくなった。ジェンダーによる差別にとどまらず、結婚、妊娠、出産にともなう困難や、性暴力被害について、彼女たちの性と生殖に関する健康と権利についてなど、冒頭で述べたように今まであまり語られてこなかった「障害のある女性が主人公となる物語」を知った。一人でできることは少ないかもしれないが、関心を持ち続けることは大切だと思った。そして私たちはともに声をあげ続けていかねばならないと思う。     

(tak)


※「障害があり、女性であること 生活史からみる生きづらさ」土屋 葉 編著 現代書館



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