ヨットに乗った日のこと…➁《アレクサンダー・テクニークって何?》
- fcsakai2
- Jun 20
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アレクサンダーテクニーク講師の森本さんより寄稿の続きです。
ヨットが動くには帆と風が必要です。それにさまざまな風の強さ、方向性を使って前に進むことができます。そしてその時、当たり前ですが、その他のヨット全体が必要です。その3つがバランスを取って前に進む「揚力」というものが生まれるのだそうです。
では人のからだのしくみはどうなっているのでしょう?帆にあたるのが横隔膜(肺の下で肋骨全体、背骨につながっている大きな幕)、風にあたるのが呼吸ではないでしょうか?横隔膜は呼吸によって、その帆を大きく押し上げたり、下げたりしています。私たちは〝おぎゃあ~″という吐く息とともにこの世に生まれ、それから休まず呼吸を続けて今があります。呼吸をすることで、横隔膜が動き、内臓が動き、背骨が動き、私たちのからだは動き始めます。
ヨットの「揚力」について調べると、「物体の進行方向や流れが物体に向かう方向に対して垂直に働く力」とあります。それは前回お話ししたアレクサンダー・テクニークのPrimaryControlに非常に近いものではないかと思います。アレクサンダー・テクニークでは、頭が背骨の上に楽にフワッと乗ることで、首、背骨、手足の間に垂直の力が働くと、前に楽に進むということをやっていきます。普段私たちがやっているのは、前に行くために頭でからだを押し下げて、前に行くことだけを考えています。
それが習慣となってからだを使うために、からだのどこかを固めたり、息を止めたりというようなことを私たちはやっているようです。
〝あたまが背骨の上で楽に休んでいると思ってください。
そうすると背中が広く長くなって、足は床に下りていきます。
あなたの中にヨットの帆が見えてきましたか?〟
森本 まり子

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