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にげて さがして

本屋さんでたまたま手に取った本。「にげて さがして」 ヨシタケシンスケさんの絵本。薄くて軽くて小さくて、小さい子ども向けの本なのかな、でもなんかタイトルが気になって、読んでみると、ふっと肩の力が抜けてきた。この世の中にはいろんなひとがいる。中にはそうぞうりょくのないひともいる。そういうひとにであったら、にげていいんだ。そしてわかりあえるひとをさがしていいんだという本。

 「逃げるは恥だが役に立つ」というドラマもあったが、「逃げる」ことに対してずいぶん認識が変わってきた。私が子どものころ、「逃げる」は卑怯だとか、ずるいとか、言われた。逃げずに戦う、逃げずに引き受ける、逃げずに向き合う、などが良き事とされた。だから、理不尽なことや到底承服しかねることからも逃げずに受け入れて、自分のこころが傷だらけになった。逃げてもいいんだとわかったころには満身創痍で回復に時間がかかってしまった。それでも逃げてもいいというのは救いだったし、自分で自分のことが嫌いにならずに、よくがんばったねと言ってあげられるようになった。

 この絵本は読みやすいけれど、あまり小さい子どもには意味がよくわからないかもしれない。どちらかというと小学校中学年以降の子どもたち、家族や友だちとうまくいかなくなった子どもたちのほうがはまるかもしれない。しんどい気持ちを抱えているおとなだって、この絵本に癒されるかもしてない。

 逃げてばかりじゃはじまらない、逃げるのは癖になるなどと思っていいのはその人自身。誰か他の人が言うことではない。逃げるのも逃げないのも決めるのは自分自身。私は誰に対しても逃げてもいいって言おうと思う。自分がそう言ってもらえて助かったから。「にげて、さがして」の絵本をそっと手渡してもいいかもしれない。自分もひとも大切にするために。

                                     (tak)



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