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  • fcsakai2

 『にぎやかな遺品整理』

母の暮らす家に私が引っ越して1か月も経たないうちに、母は入院。3ヶ月の入院生活で介護度が進んだために施設で1年弱過ごし、昨年の春、母はこの世を去った。コロナ禍でなかなか実現しなかったが、この夏、母の遺品整理のため、コロナ対策を取りながら遠方から姉たちが来てくれている。


時間をかけて溜まりにたまった物たちが奥深くあり、どこから手を付ければ良いか私ひとりで途方に暮れていた。戦中戦後を経験してきた母がものを捨てられないのはやむを得ないことと思うが、それにしてもなかなかの量である。私たちの小学生の頃の作文や通知表など、私としてはあまり見たくないものも出てくる。写真も白黒写真から新しいものまで、ありとあらゆるところから出てくるので、ちょっとした発掘作業のようなものである。母としては大切にしまってあったものをこんな形で見られるのは不本意だったかもしれないと思うが、こればかりはもう本人の意向を確認できないので仕方がない。普段は私一人の静かな家の中で、姉たちのにぎやかな笑い声や歓声が聞こえてくる。長女曰く、「こんな風に子どもたちが昔のことを思い出しながら荷物を整理しているのをきっと喜んでるだろうね~」と。


確かにそうかもしれない。出てきたものの時代を思い出してそれぞれがその頃の思いを語る機会もなかなかないことかもしれない。しかし、同じように荷物をため込んでしまう私は姉たちの声を聴きながら、やっぱり私は生きているうちに自分で断捨離したいなぁ、でもどこから手を付けたらよいのかしら、と、心の中でため息をついている。

                                 *うーぱ*



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