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“『こどもジェンダー』を読んでみました”


 助産師で、性教育YouTuberのシオリーヌさんをご存じですか?

YouTubeにジェンダーやセクシュアリティにまつわるたくさんの動画を投稿している方です。そのシオリーヌさんが 『こどもジェンダー』(シオリーヌ(大貫詩織)著 ワニブックス)という子ども向けの本を出版されたので早速読んでみました。


最近では、昔のように雄しべと雌しべが…(古!)というようなごまかした抽象的な説明ではなく、生理やSexのこと、人工授精や同性パートナのことなどを正面から取り上げた性教育絵本もたくさん出版されるようになりましたね。いろんな種類の良い本を手に取れるようになってきましたが、この本は「性教育」として学ぶ前の、幼児から小学校低学年までの子どもたちと読む本として秀逸です!

ジェンダーや性別役割分業、セクシュアリティ、不登校やいじめなどの人権問題まで扱っていますが、内容はとてもわかりやすく、子どもたちが生活の中で出会う、ちょっとした、でも、よくある「なぜ?」の質問に答える形になっています。

それに対して正解を提示するのではなく、「こう考えてみるのはどう?」「こんな時どうすればいいかな?」「あなたならどう思う?」など、決めつけたり押し付けたりしないでとても丁寧に、誠実に応える姿勢がとてもいい感じです。

1章 どうして、オトコノコだけ?オンナノコだけ? 2章 おとうさん、おかあさんって、なにするひとだとおもう? 3章 オトコノコはオンナノコがすき?オンナノコはオトコノコがすき? の3章で構成されています。そして“ばんがいへん”としてコントロールできなくて困ってしまう「イライラ」の根っこに隠れている気持ちや、どうしても好きになれない友達がいて悩む気持ちへの向き合い方、いじめられて学校に行きたくない子どもへのメッセージなどが書かれていて、幼い人たちに説明するときにとても参考になるな、と思いました。


子どもたちの悩みや意見に対して決めつけや押し付けはしないけれど、「もってうまれた からだの とくちょうを からかってきずつけることは ぜったいにダメ!」と、そこは繰り返しはっきりと言い切って、差別や偏見に対する怒りとそれらに抵抗する姿勢が示されています。「あなたはあなたらしく いきているだけで じゅうぶんなんだよ」と。

「つらいきもちになったら おとなにそうだんしてね」と言う言葉も繰り返し出てきます。子どもたちの周りに、信頼できる大人がたくさんいたらいいな、と思います。そして、私は相談しようと思ってもらえる大人になれているかな?とふり返りました。

また、「オンナノコの グループって なかよくみえて かげで わるくいってるんでしょ? こわ~い」という質問に対しては「オトコノコもオンナノコもかんけいないよ」、「オンナノコどうしが ガッチリつながったら こまるひとがいるから かもしれないね」!と、しっかりフェミニズムの視点が入っているのも小気味よかったです。 ぜひあなたも手に取ってみてください!

(qan)

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