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『お散歩しながら考えたこと』



月に1度は日常を少し離れ、どこか緑の多いところに行ってリフレッシュするのを目標にしている。今年の夏は、身内が次々に体調を崩し、入院沙汰も続き落ち着かない日々だった。なので、気が付いたら7月から全く緑に近づくことなく夏を終えてしまった。


9月に入って最初の月曜日、外出の予定がなくなって一日ぽっかり時間ができた。そこで、前から気になっていた<ほしだ園地>に行ってきた。平日でお天気も曇りだったので、人はまばら。整備されたお散歩コースを30分ほど歩くと、<星のブランコ>という「吊り橋」がある。全長280メートル、高さ50メートルの吊り橋は、谷瀬の吊り橋とほぼ同じ規模だという。下に河原が広がってゆらゆら揺れてこわーい谷瀬の吊り橋とは違って、星のブランコの下に見えるのはうっそうと茂る樹々だった。なかなかの眺めだった。晴れた日の夜は、星がきれいなのだろうな…。やっぱりちょっとの時間でも自然に触れるっていいな、と久しぶりの森の散歩を楽しんだ。



コロナとの付き合いが始まって以来、思うように人とも会えず行きたいところにも気軽に行けなくなってしまった。わいわいとみんなで食事をしたいし、旅行にも行きたいな…。「ひとり」が大好きな私でもやっぱり息苦しい。自由に選べる「ひとり」と、仕方なく選ばざるを得ない「ひとり」は全然違う。


遠方に住む親やきょうだいと、自由に行き来できない状況になってもうすぐ2年。もしかしたら、もう高齢の親には生きて会えないかも…、と考える時もある。そんな中でようやく、ひとりでいることが好き、と感じられることの幸運を意識できるようになってきた。人との関係が煩わしくて、家族とも友人ともかなり薄い付き合い方しかしてこなかったけれど、そういう付き合い方が許されているって幸運なことだったのだ。一人じゃないから「ひとり」を楽しめる。そんな単純なことにいまさらながら気づき、ありがたいな、と緑の中を歩きながら思った。

                                (qan)



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